封印作品の謎
2021年 06月 14日
名作『ウルトラセブン』全49話の中で、抹殺されてしまっている話がある。俺位の世代の人なら何となく知っている人も多いだろうが、それが第何話目で、どのような物語で、どんな宇宙人(怪獣)が出ていたのか、実際にそれを知る人は、決して多くはないだろう。
その封印された話が、「遊星より愛をこめて」という題名だ。幻の第12話と呼ばれている。実は俺も、この12話の海賊版VTRを、友人よりダビングさせてもらい保管していた。しかし、鑑賞に堪えられるような画質ではなく、1回見たらどうでも良くなってしまった。
それから20年ほど後(今より5年前位)、YouTube などの動画サイトでこの「遊星より愛をこめて」をクリアな画質で観ることができるようになった。しかし、最近は消されることが多く、なかなか観れなくなってきている。
実際内容を観たが、この作品がお蔵入りしてしまう理由が全く見当たらなかった。簡単に言えば、吸血宇宙人のスペル星人が、地球人女性の血を吸い取ってしまうという話だ。スペル星人の顔や身体は、見ようによっては病人に映るかもしれないが、普通に観る限り、そんなことは思わなかった。
じゃあ、何故お蔵入りになり、現在までの封印され続けているのか?という疑問に答えているのが、この『封印作品の謎』と言う本だ。円谷プロ関係者にも取材をしているが、何やらいろいろな圧力もあったようだ。この封印作品の原因は根が深いと思うほかなかった。
『ウルトラセブン』が放映されたのは、1967年(昭和42年)から1968年(昭和43年)の1年間である。その間は普通に放送されていたようだし、その後の再放送でも第12話は放送されていたとのこと。
俺は小学校低学年だったが、アイスラッガーでスペル星人が真っ二つにされたのをハッキリ覚えているので、恐らく2~3回目の再放送で、この第12話を観ていたはずだ。
この第12話が抹殺されてしまった経緯が、この本に記されている。読めば読むほど圧力をかけた「団体」に対し、大きな憤りを感じる。ハッキリいって左翼の連中だ。何でも平等、差別反対というスローガンの旗の下で、自分らの意に反することは全て否定だ。
もう抹殺されてから43年という歳月が流れた。いい加減に封印を解いて、この作品を堂々と世に出して欲しい。現在、NHKで『ウルトラセブン』が、再放送されているが、この第12話だけ除外されるのは間違いない。