ヨコハマメリー
2013年 08月 22日
20歳頃、たぶん夜の9時位だっただろう、若葉町の裏道を車で走っていたら、左側の歩道に白塗りのお婆さんが、ヘッドライトに照らされて浮き上がった。いくつも紙袋をぶら下げて歩いていた。
小生は横浜在住ではなかったので、当時、このお婆さんが何者か全く知らなかった。それから何年かして、初めて売春婦だと知人から聞き、知るに及んだ。
その老婆は『メリー』さんと言われた売春婦だったが、その生き様をシャンソン歌手の永登元次郎氏のインタビューなどを主体にし、ドキュメンタリー映像にしている。
1980年代にはよく見かけたメリーさんだったが、1990年代に入ると見かける頻度が小さくなったが、まだまだ健在だったらしい。いつの日か見かけることが無くなり、ついにメリーさんは実家に戻り、余生は老人ホームで過ごしたとのこと。
メリーさん直筆の手紙も映像で紹介されているが、達筆で文章もしっかりしており、こんな知的な手紙を書く人が、何故、売春婦になってしまったのか、全く繋がらない。
この映画の内容、全て真実なのかは分からないが、謎に包まれていたメリーさんの人生の一部を知る貴重な資料かもしれない。今思うとこのメリーさんも"昭和の遺産"の1つだったのだろう。