ある幹部の左遷の話 その28
2008年 07月 30日
Oさんのこの不祥事は社長の大きな怒りを呼びこんでしまった。幸い大切な顧客からは、不幸中の幸いだったかクレームや返品の話もその後は無かった。しかし、普通にやっていれば防ぐことができたことは間違いないだろう。
問題はそういうことを指示したOさんの姿勢だ。工場幹部の意見を無視し、独断専行、まさに独り善がりの行動、これこそ大問題だったのだ。Oさんは、天下りしてくる前の大会社でも数ヶ月ごとに異動していた。
定年前とはいえ、数ヶ月で異動の連続というのは、疑問符が付いても不思議ではない。恐らく盥回しだったのだろう。行った先行った先で問題を起こして異動せざるを得ない状況に陥ったのだろう。
社長の怒りを買ったOさん、ある取締役が言っていたが、本当はクビにしたかったのだろう。と言うより、本人が自分で辞めるのを待っていたようだ。しかし、全く反省を知らないOさんは、そんなつもりは全く無かったのだ。
図々しいのにも限度ってものがあるだろう。しかし、Oさんは開き直って絶対に辞表を出さなかった。辞表を出したら負けだと自分で勝手に解釈していたのだろう。会社の信頼を失っても自分のことだけは守ろうとする。本当に究極の自己中オヤジだった。